五月人形のモデルたち
庶民に人気だった英雄豪傑は誰?
【八幡太郎義家】
神業級の弓矢の名手で「天下武勇第一のつわもの」と讃えられた、平安末期の武士。
「前九年の役」「後三年の役」で武勇をとどろかせました。源義家の血脈は鎌倉将軍家、足利一門へと続き、後に武将の神様としてまつられました。
【佐々木高綱】
近江国(現在の滋賀県)出身の武士で、源平合戦で活躍した猛者です。
「平家物語」や「源平衰勢記」に活躍の様子が描かれており、宇治川の戦いにおける梶原景季との先陣争いが有名。
歌舞伎の「鎌倉三代記」では、鎌倉幕府が開かれた後の高綱の人生が描かれています。
【鎮西八郎為朝】
平清盛のライバル・源義朝の弟であり、弓矢の才にすぐれた勇猛な武士。
滝沢馬琴の代表作「椿説弓張月」の主人公。最期は流刑地で朝敵として滅ぼされますが、生き延びて海を渡り、子どもが琉球王家の始祖になったという伝説があります。
【坂田金時】
幼名を金太郎といい、昔話の「金太郎」のモデルになりました。渡辺綱、卜部季武、碓井貞光とともに大江山で酒呑童子を退治した、源頼光の四天王のひとり。
五月人形ではひし形の腹かけをつけ、まさかりを担いで熊に乗った元気な男の子の姿であらわされています。
【源義経(牛若丸)】
鞍馬山の天狗との修行や三条河原での弁慶との出会い、壇ノ浦の八艘飛びなど、数多くの伝説に彩られた武将。超人的な武勇と悲劇的な最期で知られ、歴史上の英雄の中でも特に人気の高い人物です。
五月人形では武者姿の義経や水干姿の牛若丸、弁慶との二人立ちが見られます。
【神功皇后と武内宿禰】
神功皇后は応神天皇の生母であり、妊娠中にもかかわらず海を渡って三韓征伐を成し遂げた女傑。
武内宿禰(たけうちのすくね)は大和朝廷初期に五代にわたって天皇に仕えた伝説的な人物です。
【鍾馗】
中国で親しまれている神様で、日本では病気除けや学業成就に霊験があるとされています。
鍾馗は人間だった頃、官吏の試験に落第して自殺していました。
しかし、哀れに思った皇帝が手厚く葬ってくれたので、恩に報いるために皇帝を守る鬼神となったと伝えられています。
ちょっと顔は怖いですが、日本では関西圏を中心に魔除けの神様として親しまれています。